収入はあるのに貯まらない人が陥る“3つの錯覚”

──貯まらない原因は、性格ではなく“思い込み”です

周りから見れば十分稼いでいるのに、

  • なぜか貯金が増えない
  • 支出がいつの間にか増えている
  • 思っているより残高が少ない

こういう悩みは珍しくありません。

実はこれ、収入の問題ではなく
“脳の錯覚”によって起きています。

行動経済学・心理学・統計データは
この現象を明確に説明しています。

今日は、収入があるのに貯まらない人が
無意識のうちにハマっている 3つの錯覚 をご紹介します。


①「増えた収入は“使えるお金”だ」と思ってしまう錯覚

──生活水準の“自然上昇”(家計学:ライフスタイル・インフレーション)

総務省の家計調査では、

収入が増えた人の約68%が「支出の伸びが収入の伸びを上回る」

というデータがあります。

これは “ライフスタイル・インフレーション” と呼ばれ、

  • 少し良い外食
  • 便利なサービスの利用
  • ちょっとグレードの高いものを購入
  • 住居費が上がる
  • 定額サービスが増える

など、“ゆっくり支出が増える”現象を指します。

収入が増えた瞬間に生活水準が自然と上がるため、
気づかないうちに「貯まらない構造」が作られてしまいます。


②「自分は無駄遣いしていない」という錯覚

──人間は“自分の支出”を正確に把握できない(行動科学)

行動科学の研究では、

人間は自分の支出を平均30〜35%過小評価する

と示されています。

理由はシンプルで、

  • 小さな支出は記憶に残らない
  • 引き落としは“見てない扱い”になる
  • スマホ決済は“痛みが少ない”ため記憶しない
  • 1回の金額が小さい支出は「ノーカウント」になる

つまり、

ほとんどの人は“使っていないと思ってるだけ”。

これが貯まらない根本原因のひとつ。


③「あとで調整できるはず」という錯覚

──未来の自分を過大評価する(行動経済学:現在バイアス)

行動経済学の代表的な研究では、

人は“未来の自分”を過大評価し、
実際よりも行動力があると思い込む傾向がある

ことが分かっています。

その結果、

  • 「来月から節約しよう」
  • 「今週は仕方ない、来週調整しよう」
  • 「ボーナス出たら貯金しよう」

こういった“未来任せ”が繰り返されます。

しかし、

現在バイアスがある限り、人は今の誘惑に勝てない。

これが、収入があるのに貯まらない理由です。


【結論】貯まらないのは「収入」ではなく「錯覚」

ここまでのエビデンスをまとめると、

  • 収入が増えると支出も増える(総務省 68%)
  • 支出は平均30〜35%過小評価されている(行動科学)
  • 未来の自分を過大評価する現在バイアス(行動経済学)

つまり、

貯まらない理由は“能力”ではなく“脳が作る錯覚”。

錯覚が消えれば、
収入が同じでも貯まる家計に変わります。


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錯覚が消えると、
お金は自然と残り始めます。