なぜか“いつもお金に追われる人”がやってしまう3つの行動

──収入よりも“行動パターン”が家計を決める

「給料日まで毎回ヒヤヒヤする」
「入ってきてもすぐ消える」
「収入は悪くないのに余裕がない」

これは“だらしない”わけでも“浪費癖がある”わけでもありません。

行動経済学のデータを紐解くと、
お金に追われる人には
極めて一貫した“行動パターン” があることが分かっています。

そして残酷ですが、この行動パターンは
“収入が増えても勝手に治らない”のが特徴です。

今日はその 3つのパターン をエビデンスとともに解説します。


**① 小さな支出には厳しいが、大きな支出には甘くなる

──メンタルアカウンティング(心の家計簿)の歪み)**

行動経済学の名研究「メンタルアカウンティング」では、

人は“小さな出費には厳しく、大きな出費には甘くなる”

という歪んだ行動をとることが証明されています。

例:

  • ラテ1杯は悩むのに、家電は勢いで買う
  • 100円の値上げは気になるのに、保険の毎月1万円は見直さない
  • 外食は我慢するのに、サブスク10個は放置

この歪みのせいで、
節約しているつもりでも家計が楽になりません。

実際、統計では、

“大きな固定費”を見直した家庭の貯蓄増加額は
“小さな節約”の28倍

というデータもあります。


**② 「来月の自分ならできるはず」と思いこむ

──現在バイアス:未来の自分を過大評価する**

行動経済学の中でも、
お金の悩みを最も生むのがこの 現在バイアス

シカゴ大学の研究では、

人は未来の自分を“実際より有能”だと思い込む傾向がある

と結論づけています。

その結果、

  • 「今月は仕方ない、来月調整しよう」
  • 「ボーナス入ったら貯金しよう」
  • 「今は出費が重なっただけ」

こうして 永遠に“来月に期待する家計” になり、
気づけば1年経っても残高が増えません。

未来の自分は、今の自分より優秀ではありません。
行動パターンが同じなら結果も同じです。


**③ 決断を先延ばしにする

──損失回避×意思決定疲れが引き起こす“放置家計”**

心理学と行動経済学の統合研究では、

人は「損するかもしれない」と感じる行動を
強烈に避ける傾向がある

これを損失回避といいます。

固定費の見直しはまさにこれに該当し、

  • プラン変更が面倒
  • よく分からない
  • 失敗したらどうしよう
  • 今のままでも生活できているし…

理由をつけて先送りにする

決断を先延ばしにする“意思決定疲れ”と合体して、
最も改善効果の高い固定費が
驚くほど長い期間、放置されます。

結果、毎月ずっと追われます。


【結論】「収入」ではなく「行動パターン」が家計を決めている

ここまでをまとめると、

  • 小さい支出は気にするのに“大きな出費”を放置(メンタルアカウンティング)
  • 未来の自分を過大評価し、調整を先送り(現在バイアス)
  • 損失回避と意思決定疲れで“家計の核心”を放置

つまり、

お金に追われる人は“脳のクセ”で家計が崩れている。
意思が弱いわけでも、収入が足りないわけでもない。

パターンを1つ変えるだけで
お金との距離は劇的に変わります。


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